ほっとステイ受入れ経験のある方々に
インタビューしました 〜クボタさん編〜
Q1.いつから筑北村に?
生まれがこの家でね。ここで生まれ育って、この家を離れたのは大学の四年間と、就職をして教職についてからは、県内に転居してた時期、あとは女房と共働きだったから、うちから通ったり単身赴任があったり。退職してからは15年ずっとここにいるよ。
農業に関しては兼業農家っていうのかな。勤めている間も単身赴任の時もやっていたよ。遠くに行っていた間はできなかったけどね。まだ親が元気だったから頼んで。そのあとは土地を借りたいという方がいたので、その方にお貸しして、定年した後土地が返ってきてからは10年近く自分でやっています。
畑はこの周りにいっぱいあったんだけれども広すぎて作っても困るもんで、縮小というか作らないで草刈りだけしといた。管理だけね。
Q2.子供たちを受け入れるにあたり、意識していること・モットー
ほっとステイが始まった時から受け入れをしているんだけど、特別なことは用意しないっていうのが私の考え。楽しませるとか、イベントをするとか、サプライズするとかそういうことはしない。それをやると続かないっていうのが私の考えなんです。
ありのままを見てもらって、体験をして。
一番初めの年は何をやったかというと、ネギの畝の間が、スベラヒユでびっしり埋まっちゃったの。そこでお越しいただいた生徒の皆さんと一緒に草取りをしてもらった。
女房が言っていたことなんだけど、農業の体験の中で草取りが一番良かったと。やった分だけ成果がすぐに見えるから。その時は食べることはしなかったけどね。
あとは年によってはジャガイモが収穫の時期にかかるから、いい時にあたると、やってもらえそうな作業をやってもらったり。
あとはうちの薪ストーブは入れてもう10年になるんだけど、子供たちが興味を示してくれる子が多いもんだから、『火を焚く』っていう経験は都会ではあまりないのかもなと。
火を使ったことはあるかいと聞いたら、キャンプをやったことがあると言っていたから、竈を作るところから、材料や水の場所は案内をして、薪に燃えそうなものを近くから持ってきてと言ったら、やたら大きいのを持ってくる子もいる。
ただ、持ってきたら中に入りきらないっていうのが分かるんだよね。まずは火種を作る必要があるよね。そういう風にしてね。火を沸かしてとった野菜をすぐに使ってジャガイモをじゃがバターにして食べたのが子供たちすごく印象的だったみたいでね。きゅうりなんかもいい時期ならゴロゴロなるわけ。とっていいの?って言うから1人2本までとっていいよーって。
あとはニラとスイセンがよく似ているから、違いを教えながら取ったりね。
Q3.ほっとステイを通じて子供たちに何を持って帰ってほしいですか?
大したことじゃなくていいと思うの。一番はね、自分の知っている家庭だとか生活だとか学校だとか地域と、『違うところは違うんだな』というのを知ってもらうっていうのがものすごくいいなぁと思ってる。
稲が見たいっていうもんで、田んぼまでずーっと連れて行ったの。そしたら途中でカエルがいたらもう夢中になっちゃってね。蜘蛛やバッタにも同じような感じで。夢中になっているのを見ていると、虫や生き物がいるということ自体に『新鮮さ』があるように思うよ。そういった当たり前というものの認識の違いみたいなものを感じていってもらいたい。
Q4.ほっとステイで一番思い出に残っていることはなんですか?
思い出というか、ここに来てくれた子供たちが今後大人になって、日本のリーダーを担っていってくれる子も出てくるかもしれない。柔らかな考えの中で、ここに来てくれたっていうこと自体がどこか記憶に残っていて、さっきいった『違っている環境』の中で、新しい芽を探してくれたらな。
そんな思いもあって、『もし学校嫌になったらいつでも遊びにおいで』って言ったこともあるよ。意味が分からなかったかもしれないけど(笑)。普段の自分たちの日常生活から抜け出したところにも、何か夢があるんだなぁと、そっちへ寄り道したいなぁというような子がもしいたらね。
Q5.筑北村の好きなところ、気に入っている所
気に入っているというか、もう動きようがないよ(笑)
若いころは感じなかったけど、歳をとってきて、ここの自然とか良さもあるけれども、管理をしなければならないだとかの重さもある。
いつまでも若いわけじゃなくて、かえって都会の病院とかも近い環境の整っているこじんまりとしたところのほうがいいかなぁという思いと、それって無味乾燥だよなぁという思いと両方あるね。
ここだと自分で探しさえすれば作業でもなんでもやることはいっぱいある。健康でさえいればいくらでもやることがある。草刈りだとか毎回大変だけれども、そういった作業の積み重ねで今の健康があるのかもしれない。やればやっただけきれいになるってやりがいもある。じぶんのうごいたものが形になって表れる喜びってのが身近にあふれてるのは幸せかな。
あともう一つ個々の地域の先祖様たちは柿だとか成りものをいっぱい植えてくれてたからね。梅、ポポー、ブルーベリー。手のかからないで出来るものでいえばね。
それができる過程を見るのは楽しくて好きだな。